とある冬のヒトコマ

 

 
 

「・・・・・何をしている?」

「秘密ですvv」

「・・・・・・・・・分かった。12月まで楽しみに待っている」

「っ、なに勝手なこと言ってるんですか!?俺、別に貴方に何か編もうなんて・・・・あ・・・」

「語るに落ちるとはこのことだな」

「・・・・・意地が悪いです」

「今さら何を言っている?そういう俺が好きなんだろう?」

「・・・・・・・・・・・・そういうこと言う人にはクリスマスプレゼントなんてあげません」

「俺以外の誰かにやったりなんかしたら、どうなるか分かっているんだろうな?遠藤」

「知りません、そんなの!」





プイ、っとそっぽを向いてメジャーの目盛りを仕舞った和希を、中嶋は片手で引き寄せる。

いつになく穏やかな表情でクスクス笑うその振動は、和希の身体にも心地よく伝わった。





「・・・・・・・・俺のために編めよ」

「命令ですか?」

「いいや、お願いだ」

「・・・・・じゃ、仕方ありませんね」





楽しそうに笑う和希の顔に、さきほどまでの不機嫌さはない。

中嶋から、望んだ通りの言葉を引き出せて満足なのだろう。





静かに抱き寄せられたまま、中嶋の腕の中。

瞳を閉じて笑う和希は、本当に幸せそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

Copyright(C) Illustration - Monjirou / Written - Aya
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